2月9日 決闘当日 曇

今朝の目覚めは悪かった
前日のアルコールが抜けきらず全身が微妙に気だるかった
また、午後からの決闘が憂鬱にさせていた
私の有効なカードは二つ
【虚偽】と【リセット】だ
この二つを使い、この決闘を勝ち抜かねばならない
向こうの手の内はまったくの謎と言って良かった
今までの私ならば間違いなく受けない勝負だが
この生殺しのような時間に耐えるよりはマシだ
向こうの仕事が終わるのは午後七時前後
それまでに適当な場所を押さえる必要がある
眠い眼をこすりながら私はシャワーを浴びた
曖昧だった意識がシャワーの熱気と共に脳内を駆け巡る
そして私は闘いの場所へと向かうのだった

決闘場所に選ばれたのは適度に閑散としている某ドーナッツ・ショップだった
おかわり自由のコーヒーを啜りながら時を待つ
しかし来ない
私の頭の中に【ファミレス・ボンバー】が響く
かれこれ2時間は経っている
いつ店員が頼みもしないコーヒーを出してきてもおかしくない
もう待ってられない!
私は打って出る事にした
短期決戦ならば屋外でも問題あるまい

向こうの家への道すがらメールを送る
返答が返ってきて彼女様の待つ公園へと歩を進めた

公園で待つ事数分、現れた
久しぶりに会った彼女様は今までと変わらない笑みで近付いてくる
この笑みが真実か虚偽なのか、私は見抜かねばならない
「お誕生日おめでとう」
先制攻撃を食らった
その言葉を一撃目に持ってくるとは予想だにしていなかった
あとはそのまま終始向こうのペースだった

しかし、得た情報も大きかった
私の読みが衰えていなければ彼女様の心はまだ自分に向いている、と思う
彼女様が私の気を引くために芝居を打っただけだった
それを私は一人悩み、苦しい決断を…とか考えていただけだった

つーか、人騒がせだっつーの!
こっちは夜も眠れないくらい悩んだのにさ…

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